これまでの記事で紹介しましたCloudCompare、ReCapを使用してAutodesk社のCGソフトに点群データを表示させる方法について紹介します。
■今回使用するソフト
●CloudCompare
以前の記事で紹介しましたPointCloud(点群)、メッシュデータを編集可能なフリーのソフトウェア
(PointCloudデータ編集可能ソフトCloudCompare概要)
●ReCap
以前の記事で紹介しましたPointCloud(点群)データを編集可能なAutodesk社のソフトウェア
(PointCloudデータ編集可能ソフトAutodesk ReCap概要)
●3dsMax 2016
今回点群データを表示させるAutodesk社の3DCGソフト
■作業のながれ
●デプスセンサーで取得したPCDデータを「CloudCompare」で読み込み
↓
●「CloudCompare」で書き出した「*.txt」データを「ReCap」で読み込み
↓
●「ReCap」で点群データの編集
↓
●「ReCap」より書き出された「*.txt」データを3dsMaxで表示
※ReCapはPCDデータを直接読み込むことができないためCloudCompareで変換したデータを読み込みます。
■3dsMaxにPCDデータを表示させる手順
<1>デプスセンサーで取得したPCDデータを「CloudCompare」で読み込み
まずデプスセンサーで取得したPCDデータを「CloudCompare」で読み込みます。
今回不要な点群の削除は「Recap」側で行うため点群向きのみ調整します。
側面ビューで黄色の矢印の方向へ回転させて絶対座標に対して平行になるように調整します。
調整を行った点群データを選択して File/Saveから「*.txt」データにて書き出します。
<2>「*.txt」データを「ReCap」で読み込み、点群の削除、書き出し
以前の記事
(PointCloudデータ編集可能ソフトAutodesk ReCap概要)で紹介した手順でデータを読み込み不要な点群を削除していきます。
※編集作業については「CloudCompare」「ReCap」どちらで行っても良いですがそれぞれのソフトで編集しやすさに違いがありましたので上記の手順としました。
編集ができましたら「*.rcp」形式として書き出しします。
「書き出し」からスキャンデータの統一を行って書き出しを行います。
<3>3dsMaxに読み込み
3dsMaxを起動し、下図の赤枠部分にある作成タブのジオメトリにあるプルダウンメニューから「PointCloudObject」を選択します。
タブ内ある「オブジェクトタイプから「PointCloud」をクリックするとタブ内の項目が変化します。
ポイントクラウドソースの「ポイントクラウドをロード」ボタンを押すとファイル選択ウィンドウが現れますので先ほどReCapより書き出した「*.rcp」データを開きます。
画面の任意の位置でクリックするとPointCloud(点群)データが読み込まれます。
一度読み込んだPointCloudデータは修正タブより設定変更が可能です。
3dsMax上で設定できる内容としては点群の色(トゥルーカラー、高度、強度等)と点群のサイズ程度しか設定することはできません。
3dsMaxでは制限ボックス等で直方体内の点群のみ表示させるなど多少の変更はできますが点群自体の編集はできないため点群の削除などを行う際は一度「ReCap」側で編集作業を行い再度読み込みを行わなければなりません。
■3dsMaxで点群を表示する際の注意点
・3dsMaxでの点群データは外部の「*.rcp」を表示しているだけのため形状的は存在しません。
・3dsMaxから点群を書き出して他のソフトに引き継ぐことはできません。
・外部の読み込み「*.rcp」を削除すると3dsMax上で表示されません。
・外部の読み込み「*.rcp」のリンクが変わると3dsMax上でもリンクが切れて表示されません。
・点群データの直接的な編集が行えないため編集の際は「ReCap」で行い再読み込みが必要。
・3dsMax 2014からの機能になるためそれ以下のバージョンではこの方法で読み込みができません。
・3dsMaxのレンダリングに点群を表示させるにはmental rayレンダリングでなければなりません。
■まとめ
これまでCGソフトで点群を表示することができないため点群を一度メッシュ化してから3DCGやCADにデータを渡さなければなりませんでしたが今回紹介の方法で3DCG上に点群を配置することができます。
ただしあくまで点群データは表示のみとなるため3DCGから書き出しを行い別のソフトで開いても点群を引き継ぐことはできません。
点群データをガイドとして使用する用途としては活用できるかと思います。
有限会社マグネットインダストリー
西内伸太郎